- Yuho
着物選びが難しい季節
5月に入り、着物選びが難しい季節になりました。
着物の着用ルールでは5月いっぱいは袷の着物、ただ近年夏日も多くなり体感的には単衣でも暑い日も増えてきています。
先日街を歩いていると浴衣の方をお見掛けしました。
早いなとは思いましたが、その日の気温的には浴衣でも十分な日でした。
着用ルールが厳密に決められた時代から現在までの気候変化を加味し、暦ではなくその日の気候で着るものを決めないと、体調不良を起こしてしまいそうです。
一例ではありますが私個人の着用ルールをお伝えいたします。
GWを過ぎたら基本的に単衣を、25度を下回りそうな日には袷を着用しています。
実際には気温を調べず起きた時に窓を開けたくなるか否かの肌感覚だけで選ぶ時もありますので、気温はおおよその目安と思ってください。
また、袷を着用する時には濃い茶色や朱色よりも爽やかな色を選択し、視覚的にも涼やかさを出すよう心がけています。
単衣を着ても暖色の色合わせですと不思議と暑いような気持になってしまいます。
下記の写真は左が5月上旬、右が10月中旬に着用したもの。
帯や小物によって印象が変わることがわかると思います。
ところで、知人に深刻な冷え性の方がいて、彼女は真夏でも袷の着物を着てちょうどよいことがあるそうです。そのため、常時長じゅばんは袷を着用し、クーラーが強い場所に長時間いると分かっているときには、あえて袷を選ぶ時もあるとか。
その時には必ず寒色を取り入れ、目に涼しく映るように工夫されるそうです。
洋服でも初夏のに寒い日があればコートを羽織ったり、冬でも薄着をしたりします。
着物も着用ルールをただ厳密に踏襲するのではなく、個人の体感温度に合わせて着物を選び快適な着物生活を楽しむことが日常的に楽しめるコツだと思っています。
最後に、結婚式などの礼装の際。
私は多少暑い日でも5月9月には袷の着物、など基本ルールに則った着物を着用するようにしています。理由としては、式典の多くは冷暖房完備の室内で行われること、おめでたい席に水を差したくないことの2点です。
前提としてルールを理解して、守るべき時は守り、必要な時には崩すというゆとりを持って着物生活を楽しみたいものです。